奈良阪町

奈良南都 中世の街道筋「奈良阪町」

奈良阪町は、奈良県及び奈良市の北端にあって平城山(ならやま)の丘陵が最北部に連なり、奈良盆地と京都府山城盆地とを境する高さ100m(比高2〜30m)の台地性丘陵地である。

町域のほぼ中心部には氏神「奈良豆比古神社(式内社)があり、境内には天然記念物の樟の木や万葉樹の児乃手柏(このてがしわ)が保護されている。

さらに、毎年10月8日の宵宮に奉納される古式な舞「翁舞(おきなまい)」はすでに室町時代から行われていた。

また、神社の境内に接する「西福寺」は貞観(じょうがん)年中(859〜877)に慈覚大師(じかくたいし・僧 円仁)が創立したといわれ、本尊阿弥陀如来立像や薬師如来坐像等々、平安時代の作といわれる多くの重要文化財がある。

西福寺

そして、町域は広く古い地名(小字)も多く残っており由緒ある呼称や、地名にまつわる伝説も多く語り継がれている。

奈良坂は、奈良南都の社寺巡礼の盛んな中世の街道筋として栄えた当時の名残が、街角の道標や常夜灯(石灯篭)にも偲ばれ、今も残る商家の屋号は昔の繁栄の姿を偲ばせている。

このように、歴史に富み多くの伝統や伝説をも育んできた奈良阪町の町域にも住宅開発の波が押し寄せるなど、奈良阪町は大きく変貌した。

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