奈良阪町は奈良県及び奈良市の北端にあって平山の丘陵が北西部に連なり、奈良盆地と京都府山城盆地とを境する高さ100m(比高20〜30m)の台地性丘陵地です。
奈良南都の寺社巡礼が盛んな中世からお伊勢参りや春日・大佛・観音詣の街道筋「奈良街道」として栄え、歴史に富み、多くの伝統や伝説をも育んできました。
しかし町域にも住宅開発の波が押し寄せるなど、奈良阪町は大きく変貌しつつあります。
町の中心部に鎮座する「奈良豆比古神社(ならづひこじんじゃ)」には天然記念物で樹齢1300年の「樟(くす)の巨樹」や万葉植物の「児手柏(このてがしわ)」が、また毎年10月8日の宵宮に奉納される無形民芸文化財「翁舞」は申楽・田楽の始まりと言われ奈良時代にルーツをさかのぼります。
樟の巨樹が見守ってきた1300年の歴史とともに、数々の先人から受け継がれた歴史や伝統、語りつがれてきた伝説やよもやま話などを紹介いたします。